RCCM試験は、近年特に問題ⅲの一般筆記論文を始め、試験内容が難しくなりました。効果的な試験対策で合格を勝ち取りましょう!
2021年度からRCCMはCBT試験となり、問題内容自体は例年とほぼ変わらないのですが、問題ⅲの試験問題については事前に発表されることとなり、これまでの《試験問題の予想を当てる》という楽しみはなくなりました。
発表されたRCCM試験B(問題Ⅲ:管理技術力)出題テーマは、こちら。6つの論文を覚えて行かないといけないようです。
(1)近年の自然災害の激甚化に対する今後の国土づくり
(2)ICT、IoT、AI 技術の利活用
(3)設計成果の品質向上
(4)維持管理と長寿命化
(5)人材確保と働き方改革
(6)コンパクトシティの推進
以下は、2019年度までの問題ⅲにおける試験問題傾向です。ご参考までに。
最近のRCCM試験 問題ⅲは、これまで全く同じ設問が2年連続、または隔年で出ていましたが、同じような設問でもキーワードが変わったりキーワードが多くなったりしています。
設問を見ると、H29年とH28年に、ICTに関する設問が出ています。しかし、設問・キーワード共に変化しています。
設問①、②について、次の5つの用語「i-Construction」「CIM,BIMの取組み」「社会インフラ用ロボット」「NETIS(新技術情報提供システム)」「i-Constructionコンソーシアム」のなかから3つ以上を用いて記述しなさい。用いた用語は、解答用紙の文中にアンダーラインを引いて強調してください。用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、3つ以上を用いていればよい。
①我が国における建設生産性向上に取組む背景と課題
②我が国の建設生産性向上に向けたICT技術活用推進方策
設問①、②について、次の5つの用語「i-Construction」「CIM,BIMの取組み」「社会インフラ用ロボット」「NETIS(新技術情報提供システム)」「情報化施工」のなかから3つ以上を用いて記述しなさい。用いた用語は、解答用紙の文中にアンダーラインを引いて強調してください。用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、3つ以上を用いていればよい。
①我が国における建設生産性向上に取組む背景と課題
②ICT技術の利活用により、建設生産性向上に寄与する効果
H29年とH28年の設問のうち、赤字が違う部分です。緑字は似ていますが、設問が求めている内容がそもそも違います。H28年は『寄与する効果』を述べるものだったのが、H29年は『ICT技術活用推進方策』を述べる設問になったので、とまどった人も多かったと思います。
H28年度の5つのキーワードのうち4つがH29でも使われているのですが、そもそも問われている内容が違うのです。ですが、H28年に対する解答論文の内容を少し変えるだけで対応できたはずです。私の周りの人も、私のH28年解答論文を少し変化させて合格しました。
設問を見ると、H29年とH27年に、建設コンサルタントにおける人材確保・育成に関する設問が出ています。しかし、設問・キーワード共に変化しています。
設問①、②について、次の6つの用語「建設コンサルタントの役割」「担い手確保」「若手技術者の育成」「普及・啓発」「長時間労働」「多様な働き方」のなかから4つ以上を用いて記述しなさい。用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
設問①、②について、次の6つの用語「就労環境」「社会的地位」「技術の継承」「若手技術者」「女性技術者」「OJ T」のなかから4つ以上を用いて記述しなさい。用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
H29年とH27年の設問のうち、赤字が違う部分です。緑字は似ていますが、全く同じキーワードはありません。H29年は設問に『技術者育成の必要性』という言葉が入ったので、最初はとまどった人も多かったと思います。しかし、H27年度でも人材確保・育成のあり方を述べる論文であったため、覚えていた論文を多少変化させれば対応できたのではないでしょうか。
設問を見ると、H27年とH28年に、安全な国土づくりに関する設問が出ています。これまでは全く同じ設問でしたが、若干違う設問になっています。
①わが国における安全で経済成長を支える国土づくりに向けた課題
②安全で経済成長を支える国土づくりに向けた課題への対応のあり方
設問①、②について、次の6つの用語「巨大災害」「気候変動」「防災の主流化」「タイムライン」「一極集中」「サプライチェーン」のなかから4つ以上を用いて記述しなさい。用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
①わが国における安全な国土づくりに向けた課題
②安全な国土づくりに向けた防災・減災のあり方
H28年とH27年の設問のうち、赤字が違う部分です。全く同じキーワードが5つですが、H28年は設問に『経済成長を支える』という言葉が入ったので、最初はとまどった人も多かったと思います。しかし、H27年度の設問には『サプライチェーン』というキーワードも入っていたため、H27年の解答でサプライチェーンも含めた論文を用意していた人は対応できたのではないでしょうか(こちらの論文を参照)。
設問を見ると、H26年とH27年に維持管理に関する設問が出ています。これまでは全く同じ設問でしたが、若干違う設問になっています。
①日本の社会インフラの現状と課題
②複数の視点から見たこれからの日本の社会インフラのあり方
設問①、②について、次の6つの用語「老朽化」「ライフサイクルコスト」 「予防保全」「点検・診断」「補修・更新」「長寿命化」のなかから4つ以上を 用いて記述しなさい。用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、 ②併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
①日本の社会インフラの現状と課題
②日本の社会インフラの維持管理のあり方
H27年とH26年の設問のうち、赤字が違う部分です。緑色は同じ意味なので、同じと考えて良いでしょう。全く同じキーワードが2つ、ほぼ同じキーワードが1つですので、H27年は維持管理の設問を丸覚えしていればなんとかなった人が多いと思いますが、全く丸覚えだけでは対応が難しい人も多かったと思います。対策としては、国土交通省白書も読んでおく必要があると考えます。そうすればキーワードを一つ増やして書くことも可能かと考えます。
問題ⅲは、同じような設問が前年や前々年のもので繰り返す傾向は、一緒です。2019年は2018年の、H29年はH27年の、H28年はH27年の、H27年はH26年のものとほぼ一緒の設問が出ました。他にも法則があります。実は、設問をいつの問題から持ってくるかは、合格率とリンクしています。
以下は、JCCA協会からのデータを基にした合格率のグラフです。
これまでの傾向から言うと、ここ数年は合格率が40%前後で推移しています。JCCA協会の懐事情を考えても、合格率があまり低いとそもそも資格として問題だし、いろいろ支障があるので合格率は40%程度に固定したいという意図が伺えます。
前年の設問を全く文言を変えずに一つ出すと合格率は40%前後になることがここ数年で分かりましたので、R2(2020)年もおそらくR1(2019)年と文言が全く変わらない設問が一つ、最悪でも文言を多少変えた設問が一つは出ると予測されます。
つまり、去年の設問に対する解答を覚えておけば、どれかは当たるでしょう。(きっと)
以下は、各年度の設問を図で示したものです。
合格率は、ほぼ毎年上がる、下がるを繰り返しています。
そして、ここ4年は合格率が上がった(上げたかった)年は去年の設問と同じものが一つ出題されています。そして、合格率が下がった(下げたかった)年は、一昨年の設問と同じものが一つ出題されています。これは、上記の表にはないH21年以前にも見られる傾向です。